晶子のお庭は虫づくし

大森拓郎さんのクモの話

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クモの話
2007.10.27
   
○ クモに対するイメージ・・・姿かたちが不気味、気持ち悪い、毒がある、怖い、獲物をとるとき残忍、等々。

○ クモも生態系の一員としての役割を持つ・・・肉食動物で、昆虫のほかクモ、アリを食べるものもいる。
ハエ、カなど人間にとって害虫も食べる。天敵は、鳥、カエル、トカゲ、ハチなど。

○ 人との係り方も強く、興味深い生き物・・・くも合戦(メス同士のコガネグモの戦い。鹿児島県加治木町。
四国中村市「全日本女郎グモ相撲大会」)・けんか遊びをする地方も(ハエトリグモ。千葉・神奈川)。
小説にも登場(芥川龍之介「蜘蛛の糸」ほか)。

○ 世界に4万種。日本に1,200種。
・ 日本に生息する毒グモは僅少・・・カバキコマチグモ程度。1995年に発見されたオーストラリア産セアカゴケグモも一部地域に生息。
・ 変温動物。寒くなると動けなくなる。

○ 外国でのクモに対する意識
・ ヨーロッパでは、経済的な繁栄の印、縁結びの動物。中国では長寿の印として大切にされている。
毒グモの多いオーストラリア人は、クモの知識が豊富で子供用の本が多数出版されている。
インド、タイ、ベネズエラ、等では蛋白源として食料にも。

○ 住居(巣)
・ 造網性クモ・・・全体の約6割。3本の爪をもち、真ん中の爪を糸に掛け網を張る。
円網、棚網、皿網、など網にもいろいろある。
・ 徘徊性クモ約2割・・・網を張らない。3本の爪をもち、もともとは網を張るクモであったと考えられる。

○ クモのからだ
・ 頭胸部と腹部の2部に分れる(昆虫は、頭部・胸部・腹部の3部)
・ 6対の附属肢(後ろの4対は歩脚。1対目は上顎<牙あり>。2対目は触肢<オスは末端の膨らみが交接器)
・ 眼は、普通8個の単眼(6個のものも)。配列は種類により違う。

 

 
   
(クモに関する10の質問〜わかるかな?)  
   
@ 足は何本、爪はあるか、ないか(足は8本、爪は3本)

A 眼はいくつ(普通8個の単眼)

B ジョロウグモの産卵数は(200〜400)

C 空を飛ぶか飛ばないか(子グモが巣を離れるときなど風にのって飛ぶ。
ハワイから1600キロ離れた太平洋上の船上で採取、高度4500m上空で飛行機が捕獲の例も)

D 網を張るクモが巣にいる時、どちらを向いているか(ほとんど地面の方向の下向き。空に向けているのは
日本のクモではギンナガゴミグモ、ギンメッキゴミグモの2種のみ)

E セロテープの上を歩けるか(歩けない。粘着性のある横糸に足を掛けることも出来ることから脚の一部が離型性物質になっている)

F なぜ自分の糸にくっつかないのか(縦糸には粘着性はないが横糸にある、ジョロウグモは、粘着性の横糸を何本か張り、
その隣に粘着性のない横糸を移動用に張る)

G ぶら下がっている糸は何本。自分の体重の何倍支えられるか(牽引糸<命綱>は円筒形の細い2本のフィラメントで出来ており、
自重の6〜10倍を支えられる)

H 自分の張った巣(糸)を食べるか食べないか(一般に古くなった巣を口に入れて、糸を再利用する<新しい巣の中に80〜90%の割合で、
古い巣の成分が見られる>。食後30分程度の速さで、リサイクルされる)

I 人間にとって危険な毒グモはどれくらいいるか(世界中の4万種のうち、20〜30種。日本にいるのは、昆虫を麻痺させるのに有効なレベル程度で、
人間がかまれると痛さや発熱が起きるくらいの毒性を持つカバキコマチグモがいるものの、通常、人間にとって精々不快感を与える程度。
毒の強いセアカゴケグモはオーストラリア産。)


――参考文献:大崎茂芳著「クモはなぜ糸から落ちないの(PHP研究所発行)、浅間茂ほか共著「校庭のクモ・ダニ、アブラムシ」(全国農村教育協会発行)――

 

               

 

 

 

2014.8.30更新

   

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