晶子のお庭は虫づくし

大森拓郎さんの『桜の話いろいろ』

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桜の話いろいろ
・桜は、万葉の時代(4〜8世紀)から日本人に最も親しまれてきた花(春の花といえばツバキと双璧)。

国を象徴する花(国花)。100円硬貨の図柄は桜。

・バラ科―サクラ属―サクラ、スモモ、モモ、ウメ、ニワウメ、ウワミズザクラ(ハナカイドウは、リンゴ属)。

・野生種は11種。

ヤマザクラ(平安時代以降、詩歌や文学に登場する桜。花と葉が同時に開く。)、オオシマザクラ(白色で大輪。
桜餅の葉として利用<葉の香リ成分は、芳香性の化合物
クマリン>。

伊豆大島中心に伊豆七島に分布。小金井公園ユリノキ広場に大木。)、

エドヒガン(長寿。神代桜<樹齢2,000年とも、山梨県北杜市>、薄墨桜<樹齢1,500余年、岐阜県本巣市>)、

マメザクラチョウジザクラオオヤマザクラカスミザクラタカネザクラミヤマザクラカンヒザクラ(台湾原産)、
シナミザクラ(中国原産)。

大森拓郎さん撮影のの桜
  東大農場の桜(ソメイヨシノ) 本館前の桜 3月30日撮影
大森拓郎さん撮影のの桜 サトザクラ(山野に自生するヤマザクラに対し園芸品種をサトザクラと呼ぶ<最近では、基本種にシナミザクラ
が加わる>。

一般的に園芸品種全てを指す<厳密には、オオシマザクラと他の桜との交配で作られた園芸品種の総称>。

八重桜、ボタン桜というのはサトザクラのこと。)・・・野生種11種の組み合わせで、400を超える。

花は一重咲きもあるが、多くは花季の遅い八重咲き。

一重咲きの代表はソメイヨシノ(オオシマザクラとエドヒガンの交雑種というのが定説であるが、染色体その他で
異説もある。江戸末期〜明治初期に、江戸染井村<豊島区駒込>の植木職人らが育成。

当初吉野桜として売り出したが、吉野のヤマザクラと間違えやすいということで、染井吉野と名付けた。)、
シダレザクラ(エドヒガン系統が多く、品種もさまざま。性質を受け継ぎ長寿。

枝や葉の成長速度が、しだれない種よりも速いために自重で垂れ下がり、その後木質化して固定。

三春瀧桜<ベニシダレザクラ。樹齢1,000年超、福島県三春町>。

西東京市の木50選<東大演習林内切り株広場南>)、八重咲きでは、カンザン(花弁が20〜45枚)、フゲンゾウ

(めしべが2本<ゾウの鼻のよう>)、ウコン(半八重咲き、唯一黄色の花を咲かせる<花弁は黄緑色>。

西東京市の木50選<田無駅北口広場>)、イチヨウ(1本の葉のようなめしべがある。)、ケンロクエンキクザクラ
(花弁数360枚)。

東大農場の桜(ソメイヨシノ) 桜並木 3月30日撮影  
・花形の変異・・・桜花の基本形態は一重(花弁5枚、めしべ1個、おしべ30〜40個)、半八重花弁7〜10枚、八重11
〜60枚、菊咲60枚以上。

多弁になるきっかけは、おしべがその機能を失って弁化することで、葯や花糸そのものが肥大化し花弁状になったりする。

また、咲いた花の中にまた咲く二段咲きも。

大森拓郎さん撮影のの桜
  東大農場の桜(ソメイヨシノ)  孵卵室付近の桜   3月30日撮影
大森拓郎さん撮影のの桜 ・小金井桜・・・1737年、武蔵野の新田開発が一段落した頃、武蔵野新田世話役の川崎平右衛
門が村おこしの一環として「西の吉野(奈良県)、東の桜川(茨城県)」などのヤマザクラなどを取
り寄せ、小金井橋を中心に、玉川上水の両岸6kmにわたり植えられた(当時「武蔵野千本桜」)。

桜を植えた理由は諸説あり、堤防保護、解毒作用※を見越して、など。

江戸時代の庶民の楽しみは、芝居見物、両国の花火、そして花見。

その花見の名所が小金井桜。明治天皇も行幸された(1883年、小金井橋で観桜)。

浮世絵師広重らも数多く描く。

国木田独歩(武蔵野、1901年)、田山花袋(一日の行楽)にも著されている。

1889(明治22)年4月11日、小金井の花見に合わせ甲武鉄道開通(後の中央線。駅は、内藤新宿・中野・
境・国分寺・立川)。

武蔵小金井駅の誕生は1926<大正15>年)。日曜日には数千人の行楽客が訪れ、地域は多いに潤った。

※桜の葉などからクマリンを放出、他の植物を近づけさせない効果。

・小金井公園の桜・・・1954(昭和29)年開園、玉川上沿いの小金井堤の桜の伝統を受け継ぐ。

現在50品種、1,700本(2010年現在)。

日本桜の名所100選([財]日本さくらの会、1990年選定)のひとつ(東京では、ほかに、上野恩賜公園、墨田公園、
井の頭恩賜公園、新宿御苑)。

代表桜は「小金井薄紅桜」([財]日本さくらの会の「名木日本のさくら55本」に選定。     

以上(2013.3大森)
                                           

          東大農場の桜(ソメイヨシノ) 桜並木の下で遊ぶ子 3月30日撮影  

 

 

東大農場・演習林の生きものたち 展示会
東大農場・演習林の生きものたち 展示会のお知らせ
2013年3月9日(土)〜4月7日(日) 4月12、13、14のみ延長になりました。多摩六都科学館
 地下1階イベントホール
開園時間:9時30分〜17時(入館は16時まで)
入場料 大人500円 子供(4歳〜高校生)200円主催 
多摩六都科学館 共催/東大農場・演習林の存続を願う会/原画 中西 章お問い合わせ 042-469-6100

2013.4.2更新

2014.5.14更新

 

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