晶子のお庭は虫づくし

観察日記2000年4月

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2000年4月4日(火)晴れ
生ゴミを埋めていたら、カタツムリさんに会いました。今年はなぜか、空になってしまったカタツムリの殻が多く、ちょっと悲しかったのですが、元気に冬眠しているカタツムリに会えてほっとしました。よく道路に這っているカタツムリを見るとほっとけなくてつい連れて帰ってきたものが、いつのまにかたくさん増えて、またそんなカタツムリをねらって、しっかりマイマイカブリも住みつくようになっていました。何回かカタツムリも飼育しましたが、たくさんの卵から赤ちゃんカタツムリが生まれました。カタツムリの赤ちゃんって透明でちっちゃくて本当にかわいいです。

カタツムリはオス、メスの区別がないのですが、家の中で飼った時は、いつも卵を産むカタツムリは、決まっていて卵を生み続けた方のカタツムリは、すっかりカルシウムを使い果たして、殻が随分柔らかくなってしまいました。ある程度大きくなったカタツムリはお庭に離してあげました。

とても暖かかったせいか、少し大きめのアブさんが、花の蜜を吸いにきてくれました。黄色と黒のコントラストがとてもきれいなアブでした。今年はほとんどスミレが消えてしまって、一輪だけひっそりと咲いてくれました。いつもならあちこちにたくさん出るのに、どうしたのしでしょか。淋しいですね。

おすすめ絵本

こまっちゃったなたんじょうび
アンジェラ・マカリスター著  スージー・ジェンキン−ピアス絵
しまむら まさえ訳  フレーベル館出版

ごはんも食べずに考えたのに、夜も寝ないで考えたのに、・・・カタツムリの子は、誕生日パーティのことでずーと悩んでる。だって他のお友達みたいにみんなを呼べるお家がない。お家はぼくしか入れない。みんなぼくのために誕生日の準備を始めてくれて、とても楽しみにしているのに。「こまったことは誰かとはんぶんこしてみるものよ」ってママがいってたけ。そうだフクロウおばさんに相談してみよう。

2000年4月5日(水)雨
小鳥さんも随分庭に遊びに来てくれるようになって、植えた覚えのない、木の芽がでてきます。紫式部、ツルバラ、ネズミモチ、コブシまたはモクレン?など、小鳥さんからのプレゼントです。抜かずに大切に育てて行こうと思っています。いつか木が大きく育ったら、またたくさんの小鳥さんが遊びに来てくれる気がするから。

おすすめ絵本

ひみつはウンチ(かがくのとも 1996年10月号)
  こうや すすむ 文  片山 健 絵 福音館  本体340円

小さな若い木は、今年始めて赤い木の実を実らせました。鳥達がやって来て食べ始めました。若い木は気が気ではありません。そこで、木は鳥達に全部食べられてしまう前に、木の実を根元にこっそり落として置きました。春になり、小さな芽が出たのですが元気がありません。若い木の陰になって、お日様があたらなかったのです。でも離れれた所からかわいらしい笑い声が聞こえてきました。秘密はうんちだったんです。鳥達がウンチと一緒に大事な種を蒔いてくれていたんです。

2000年4月6日(木)晴れ
ミニアカアリさんも活動を始めたようです。ミニアカアリさんの巣の入り口は、アカアリさんの巣より、大胆な砂の掘り方をしているみたいで、とてもよく目立ちます。最近アカアリさんの姿が見かけません。活動時間が決まっているのでしょうか。またベージュ色の5ミリぐらいの小さなクモさんにも出会いました。コンクリートの上にいたので、そっと指を近づけると、ぴょんと跳ねて移動します。何度か繰り返していたら、しっかり死んだふりをして動かなくなりました。(ちゃんと動いてどこかにいってしまいました。ミヤコワスレも咲き始めました。今年はチューリップも随分遅くて、やっと何本かつぼみをもち始めました。

おすすめ絵本

おじさんいいもの みつけたよ(子どもとも傑作選)
  岸田 衿子 文  古矢 一穂 絵  福音館書店

ありたろうとけむたは、さんぽの途中でいろいろなものをみつけます。それは、いまままで見たこともないものばかり。ありたろうのおじさんに手紙をかくことにしました。おじさんは、旅行から帰ったばかりで、いく事が出来ないので、絵に書いて送るようにありたろうたちに手紙を出します。ありたろうとけむたの書いた絵と手紙から、おじさんは一生懸命考えてまた返事を書いてくれます。それはニワトリの卵だったりきのこだったり。

はなうさライン

ほいさかさっさえんそくだ(子どものとも1997年5月号)
おじさんいいものみつけたよの続編です。今日は楽しみにしていた遠足、ありたろうの弟ありごろうは、さかだちをして歩くので、どんどん遅れてしまいます。お昼を食べるためにほいさかなまへ登ることになったのですが、やっぱりありごろうはサクランボの実につかまって遊んでいます。ちゃんとみんなに追いつくことができるのかな。

2000年4月7日(金)晴れ
朝7時、また゛アリさんたちは、巣からでてきません。一時間後の8時もう一度庭に出てみると、しっかり巣から出入りしていました。やっぱりアリさんは働きものですね。縁側にとても足の長い黒いくもさんが散歩していました。背中には、白い線があり、ちょっと粋なクモさんです。ユスラウメの花のつぼみも随分膨らんできました。また2年前に山で拾ったコナラどんぐりの芽も少しずつ出てきました。まだ10センチぐらいしかありませんが大きく育ってくれたらと思います。

2000年4月8日(土)晴れ燕さん飛来する
朝6時ごろ、ツバメさんの鳴き声がします。今年もまた無事に到着出来たようです。長旅お疲れ様でした。ゆっくりくつろいでいってくださいね。毎年我が家の西側の電線きてくれます。巣をかけることはありませんが、お食事のために、我が家は利用しているようです。

昨年掘り上げ放置しておいた、ツユクサの根の固まりをひっくり返してみると、だんご虫と、ワラジムシが同居していました。だんご虫は、生まれたばかりの赤ちゃんもたくさんいました。いきなり光が差し込んでびっくりしたのか、だんご虫は丸くなり、ワラジムシは、にげだしました。すぐにまた元に戻してあげました。こんな物が虫達にとっては、最高の住処なんですね。

以前動物奇想天外と言う番組の中で、見たのですが、だんご虫は、敵に襲われても固い殻で、身を守る事が出来るますが、わらじ虫は、固い殻を持っていないので、お尻から、仲間に危険が迫っていることを知らせる液を出し、仲間に知らせ、自分は犠牲になってしまうのだそうです。この番組を見て以来、とてもわらじ虫がいとおしくなってしまいました。

バケツ稲の準備を始めました。  

2000年4月9日(日)晴れ近くのお山に散策に行ってきました。カタクリやマンサク、キクザキイチリンソウなどが咲いていましたが、林の中はまだ冬の気配です。まだ葉っぱが出ていないので、クスサンとヤママユの繭を見つけました。池では、マツモムシとミズスマシが元気よく泳いでいました。
マツモムシは足をオールのようにして、泳いでいました。ミズスマシはおどかしたら、水の中の落ち葉の陰に隠れました。ヒメギフチョウには、2 3日早かったようで、見ることが出来ませんでした。ちょっと残念です。

2000年4月10日(月)晴れ
アカアリさんぐらいの大きさのクロアリさんが活動を始めました。どちらかというと、スマートな感じで、頭とお尻が丸い感じです。アリさんって木の根元に巣を作ることが多いようです。今日見つけたありさんは、シモツケの木の根元に作っていました。ちゃんと考えているんですね。前に見つけたアリさんたちは、夏椿、さつき、つばきなどの木の根元でした。

秋に玄関のコンクリートの壁に、クモさんが卵を生んだのですが、中から出で来たのは、なぜかクモさんではありませんでした。近くにはお尻の白いくもさんが一匹巣をかけていました。真綿のような、たばこのフィルターのような感じのものを少し茶色染めた感じのものを貼り付けた感じの卵でした。→マイマイガの卵でした。

まだ、ツグミさんが鳴いていました。我が家のタンポポは、まだやっとつぼみをもっただけですが、日当たりのよい、道路では、咲いていました。また土筆も盛りです。ミヤコワスレもやっと咲始めました。

土を掘っていたら、細長いゲジゲシの赤ちゃんらしきものがいました。とても細くて白く、足がいっぱいありました。ヤスデさんかとも思ったのですが、ヤスデの赤ちゃんは生まれた時から赤く小さいという記憶があり、またこの辺では、ムカデさんに出会ったこともありませんので、消去法ゲジゲジさんかなと思います。カタツムリさんも暖かくなってきたせいか、少しずつ活動を始めました。

2000年4月15日(土)花曇り
まだ北に帰らないツグミさんもいました。また前の畑の上空でヒバリの鳴き声が聞こえるようになりました。

2000年4月16日(日)晴れ
今日は早起きをして庭を眺めていたところ、ヒバリの鳴き声がにぎやかだったので、空を見上げて見ると、なんとハエタカが4羽のひばりに追いかけられていました。たぶん始めはハイタカの方がひばりを襲ったのでしょうが、失敗してひばりたちの逆襲にあったのだと思います。左右と後方と上方からのひばりたちの攻撃がみごとでした。6時半頃でした。また9時頃庭にモンシロチョウが来てくれました。

午後から近くの公園に散策にでかけました。そろそろアブラムシが出てきたのでしょうか。菜の花畑にテンシウムシが一匹いました。七星型のテントウムシです。また、同じ花には蜜蜂がたくさん集まっていました。林の中に入ると、在来種のタンポポが咲いていました。黒ありさんにも出会いました。クロアリさんの巣穴は大きいもので、2センチぐらいありました。道端には、たちつぼすみれが咲いていました。道端にガの蛹が落ちていたので、このままでは人に踏みつけられるか、鳥に食べられてしまう可能性が高いので、家に持ち帰り飼うことにしました。(ガやチョウの蛹は腹部を軽く横に動かして元に戻れば生きている証拠です。)

公園から帰ってきた時、道路脇にハクセキレイが倒れていました。すでに首の骨が折れており、亡くなっていました。庭のシモツケの木の下に塚を作りました。いつも庭に来てくれていたハクセキレイかもしれません。春は小鳥の交通事故が多くなる季節なのかもしれません。

おすすめ絵本

たんぽぽ
  甲斐 信枝 作 絵  金の星社 本体1262円
春を迎え、タンポポが花を開きわたげを飛ばし、冬じたくをするまでの様子をとても繊細な絵とお話でつづった絵本です。たんぽぽの一生懸命な姿が見られると思います。作者の植物に対する思いが伝わってきます。

雑草のあるくらし
 甲斐 信枝 作 絵  福音館書店 定価2000円
畑あとの空き地の5年間雑草の変遷を観察し丁寧に描がいたものです。

2000年4月22日(土)晴れ
昨日の雨が嘘のようないい天気になりました。水たまりに小さな虫が浮いているのを娘が発見し、すくい上げてみると、2〜3ミリの小さなゾウムシさんでした。色はくすんだ緑色に背中に白い線が入っていました。とても小さいけど、しっかり触覚もあり、象さんの鼻のような口もすっと伸びていました。何もなかったかのように飛んで行ってしまいました。雨の日ってミミズさんにとってとても大変です。土の中の二酸化炭素が増えるため、土の中から這いだして来てしまうそうです。

我が家の庭にも、ルリシジミが来てくれました。また小さなヒシバッタの姿も見かけることが出来ました。多分ハネカクシだと思うのですが、アリさんの巣のそばでみかけました。また去年のこぼれ種から、咲いた菜の花に細長い地味目のアブさんが来てくれました。

芽が出始めがとてもワラビに似ているイカリソウも赤紫の花が咲きました。なかなか出てこないので消えてしまったかと思っていたので、ほっとしました。また今年は、ちょっと変わったムスカリが咲きました。一つの茎から花が二つに分かれているものです。

2000年4月23日(日)晴れ
成虫越冬したアカタテハが庭でひなたぼっこしていました。またピラカンサの木に久しぶりにクモの巣をはっているちょっとスリムなクモさんを見つけました。

午後から近くの遺跡を散策してきました。娘はいたく遺跡が気に入ったらしくなかなか離れようとはしませんでした。遺跡の周りは林になっており久しぶりに、エナガとコゲラの姿を見る事が出来ました。またシジュウカラとウグイスも鳴いていました。草むらでは、冬眠から覚めたアカガエルに出会いました。ヤマブキとモミジイチゴも満開です。

帰り道、近くの田んぼに4羽のコサギが羽根を休めていました。田んぼに水が入ったせいでしょうか。毎年思う事は、空中散布をする田んぼには、なかなか近づこうとはしないのは、サギは、農薬の怖さを知っているというこでしょうか。

2000年4月24日(月)晴れ
午後庭にでていたら、成虫越冬していたキチョウが遊びにきてくれました。

2000年4月25日(土)晴れ
やっと庭のタンポポも咲きました。精一杯広げた葉っぱの真ん中ににちょこんと黄色い顔をのぞかせて、私を見てとでも言っているようです。

2000年4月27日(木)雨
昨夜から、ずーと雨が降っています。こんな時、虫さんたちってどうしているのかな。ちょっと心配です。夜どこから入って来たのか、ガガンンボさんが家の中に迷い込んでいました。いつも重そうにふらふらと飛んでいるのが印象的です。外に出して上げようと思うのですが、手のひらて゜包み込むようにしないと、長い足が取れてしまいます。

2000年4月29日(土)晴れ
朝5時40分リビングのカーテンを開けようとしたら、目の前の沈丁花の木にメジロが止まっていました。距離は50センチぐらいでしたので、本当にびっくりしました。また来てくれるとうれしいのですが!今年は気温が低いので、もう少し遅いかと思っていたのですが、アゲハも来てくれました。

またお尻の黒い尖ったアブさんも蜜を吸いに来てくれました。ほかにもモンシロチョウ、ちっちゃな白黒のツートンカラーのクモさんも見かけました。

4月8日にも書きましたが、ツユクサの根の固まりをまた持ち上げて見ると、ワラジムシの姿は、ほとんどなく、だんご虫とアリさんの巣に変わっていました。ミミズの赤ちゃんもいました。地面には沢山の穴が空いていました。

先日、やっとわが家のタンポポが咲いたと書きましたが、その一つは、エゾタンポポでした。額がめくれていないんです。エゾタンポポは自家受粉しないので、虫さんに運んでもらうしかありません。また来年も咲くといいのですが。

午後、古くからの知り合いが訪れ、とてもよい天気だったので近くの山に散策に行ってきました。そこでキアゲハやミヤマセセリを見ることができ、ほかにもヒオドシチョウ・ルリタテハ・テングチョウといった成虫越冬したチョウもいろいろいました。植物ではキケマン・ムラサキケマン・ヤマブキ・モミジイチゴ・スミレ(数種類ありました)の花や蕨が目立っていました。早春が終わり、ようやく本当の春がやって来たのを感じる事ができた1日でした。

実は夕方、今日見たアゲハを家に呼びたくなって柚子の木を2本、庭の日当たりの良い場所に植えました。

2000年4月30(日)晴れ
抜いた雑草を重ねて置いた所の下には、アリが巣を作り、紫のイモムシもいました。少しでも安全な場所に巣穴を作る様です。日中は葉の陰に蚊は止まって休んで入る様です。その時なぜか前足をつっぱっていることが多いのは何故なんでしょうね。夕方になると、その蚊たちは、蚊柱になって飛び回ります。

昨日の夕方、娘の学研の付録についていたジャンボかぼちゃの種と綿の種を植えました。上手に育てれば200キロぐらいのかぼちゃがなるそうてすが、我が家の庭は猫のひたい程しかありませんので、かぼちゃの成長は頭の痛い所です。またキアゲハさんに無農薬のごちそうを食べてもらおうとパセリも準備しました。今年も来てくれるとうれしいのですが。

おすすめ絵本

すみれとあり(かがくのとも 1995年4月号)
  矢間 芳子 作 森田 竜義 監修 福音館  本体340円
虫と植物と言うと、花粉の媒介を連想する人が多いと思いますが、アリはスミレの種の白い固まりが好物で途中で種を落としてしまうと、そこから新しいスミレの芽が出てくるそうです。

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